悠言録

 夫が妻に暴力を振るうDV(ドメスチックバイオレンス)や幼児やお年寄りに対する虐待事件が絶えない。身内といえども弱者に対する思いやりやいたわりの心はいったいどこにいったのか、居たたまれない気持ちだ▼法に基づいた処罰は別にして、もし人が人を傷つけたり、最悪、生命を奪うことが許されるならそれは人でなくなる時だろう。人間社会の崩壊を意味するのではないだろうか▼その意味で先日、千葉県柏市で起きた連続通り魔事件での容疑者の対応には背筋がゾッとした。これほどまでに冷徹でいられる若者を見たことがない。特にテレビ報道を見てこれほど衝撃的なショックを受けたことはない▼24歳の容疑者は死亡した被害者と同じアパートに住んでいる上、事件翌日に犯行現場を目撃したとして報道関係者に淡々と語っていたのだ。この時の映像は顔をぼかして放映されたが、逮捕後はその時の様子が鮮明に映し出された▼ぼかしが入っている時には、容疑者であるのでさぞかし戸惑って少しは顔を引きつっていたのではないかと予想したが、鮮明な映像を見て、極めて普通に語っている容疑者に、いったい彼は人間なのか、疑いたくなってしまった▼人の痛みが分からない、人を傷つけても平気でいられる若者。心の豊かさや相手の立場に立てる思いやりはどこにいったのか。私たち大人は大変な過ちを犯してきたのではないだろうか。    (純)

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