悠言録

 「明日ありと/思ふ心のあだ桜/夜半の嵐の/吹かぬものかは」(親鸞)。盛大に咲き誇る桜も、夜半に嵐が吹けば一瞬に散ってしまう。世は無常であり、明日に桜を見にいこうという気持ちではなく、やらなければならないことは必ずできる時にやらなければならない▼県内は桜満開。会社の近くを流れる佐保川沿いに咲き誇る川路桜には多くの観光客が訪れ、若草山を背景に記念撮影。先日訪れた高田川では平日にもかかわらず多くの家族連れが春の陽気に誘われ散歩を楽しんでいた▼ただ、このうららかな気候も昨日まで。きょう4日から週末にかけては「春の嵐」の予感。週末に花見を予定していた人にとっては、あだ桜。青空に映える美しい桜は、じゅうたんに変貌する可能性も▼「あだ桜」に似た言葉に「徒花(あだばな)」があるが、こちらは、実を結ぶことなくはかなく散る花。「徒花に実は成らぬ」。どんなに見かけがよくても、内容が伴わず着実に行われない計画は、よい成果が得られない▼新型万能細胞であるSTAP細胞の発見で一躍有名になったものの、いまやねつ造疑惑の渦中にある理化学研究所の小保方晴子氏が脳裏をよぎる。研究者にとどまらず同じ穴のむじなは、早春にもかかわらず穴蔵の中で戦々恐々か▼満開の桜の下で、酒をたしなみながら交流を深めることもいいが、桜をめでながら人生について考える、そんな春もいいだろう。(如)

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