悠言録

 スポーツ不毛の地に生まれた初のプロチーム「バンビシャス奈良」が、bjリーグの全52試合を、週末の浜松アウェー戦で終える。悪夢の8連敗からスタートしたチームは、目に見える形で成長を遂げていった▼この8連敗、「プロだから勝って当然。結果がすべて」と厳しい声を浴びせる者もあった。だが先週のホーム最終戦は、敗れても、集まった約2400人からチームに大きな拍手が送られていた▼遠山向人HCは「心」の字を大切にしている。バスケットを通じて観客の心を動かすこと、震わせることを目指している。開幕からゲームを追うごとに赤く染まっていく観客席に「感動をもらったのは、こちらの方だった」と▼どこか冷めた気質や県民性がある奈良。「ふるさと」をキーワードに皆が共通して熱くなれるものを創造したいと、構想から9年を経て参入したバンビシャスはその目的が果たせたか―▼毎週、チームの練習を取材した。練習は対戦チームを想定したディフェンス、オフェンスのフォーメーションを確認し、ストレッチで終了が毎回の流れ。その後、選手個々がシュートなど自主的な練習をする▼この自主練、後半に入って出場時間が長い選手はシュートが届かず短くなる。それでも何度も打ち続け、感覚を取り戻そうとしていた。疲れきった彼らを動かしたのは心。若い選手らの限界のプレーは、われわれの県民性を変え、心を動かしたに違いない。(染)

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