悠言録

 企業家やクリエイターらが、インターネットを介して不特定多数の協力者から、資金調達するクラウドファンディング(以下ファンド)。これを活用し、桜井市にダイニングバーが11月に誕生した▼市は駅前に唯一あったスーパーが8月に撤退。駅周辺の商店街はシャッターが閉まる店舗も点在し、寂しい印象を受ける。ダイニングバーのオーナーは「桜井市を変えたい。人々が気軽に集まれる場を作りたい」という思いで、ファンドから60万円を調達し、店を立ち上げた▼明日香村では築150年の古民家を、リノベーション(改修)したゲストハウスが4月にオープン。これにもファンドが活用され、1000万円以上も集まった。村には年間約80万人が訪れるが、若者や外国人が気軽に泊まれる施設がなかった。オープン以来、国内外からの宿泊客は順調で、目標の客足に届く見込みだという▼紹介した2つのケースは、草の根レベルだが「にぎわいづくり」「雇用創出」にもつながる。奈良には歴史遺産や古民家など、魅力的な資産が豊富だ。古民家を有効に使えれば、空き家対策にもなる▼「まちおこし」には行政・地域が絡んだ大型プロジェクトから、個人単位の活動までさまざまだ。ファンドを活用したビジネスは、新たな選択肢となるだろう▼一握りの人間だけが恩恵にあずかるのではなく、地域全体が幸福になれる、持続可能な「まちおこし」を望みたい。(直)

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