悠言録

 平成28年、2016年が開けた。新しい年を迎え、今年こそ1年間、生きとし生けるものの無事を祈らざるを得ない。自然災害やテロなど戦争がないようにと▼3・11東日本大震災・福島原発事故、そして紀伊半島大水害から今年で5年を迎える。あれから5年が経ち復旧、復興は進んでいるものの災害や事故に遭った人々の心はそう簡単に癒えるものではない。ましてや亡くなられた方の家族や、今もふるさとに戻れない人々にとって悲しみは消えることはないだろう▼改めて自然災害への防災対策の必要性を認識するとともに、個々が抜かりない対応ができるように努めなければならないと思う。特に「人災」とも言われる原発事故は今後決してあってはならない▼作家の高村薫さんは25年前に原発へのテロなどを題材とした「神の火」(新潮社刊)を書いた。登場人物は語る。「日本海の向こうからミサイル一発飛んできて、格納容器に命中したら、間違いなく壊れます。容器は、ただのコンクリートの塊だから」と▼そして「世界の原子力プラントは、戦争や破壊活動を想定して造られてはいない。平和が永久に続くという架空の条件なしには、決して造ることの出来なかったものだった」と記す▼原発再稼働の動きが急だ。もう福島の原発事故は風化してしまったのか。なぜ人類が存続するために知恵を出さないのか。1年のスタートに当たり改めて問いたい。(純)

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