悠言録

 学年もないクラスもない、子どもたちが取り組みたいプロジェクトに分かれてその実現に向けて挑戦する。そんな学校があるのをご存じだろうか。それも私立ではあるが文科省から認可された学校法人の小中学校である▼子どもたち一人一人の悩みや思いも全校児童・生徒が集まって話し合う。その運営も子どもたち自身。だから子どもたちはめちゃくちゃに元気。忙しくいろいろなことにチャレンジしている。教諭はそんな子どもたちを見守り支える▼筆者が訪ねたのは県境にある和歌山県橋本市彦谷の「きのくに子どもの村学園」だ。大阪市立大学教授だった堀真一郎さんが24年前、どの子にも、感情、知性、人間関係のいずれの面でも自由な子どもに育ってほしいと願い、設立した▼「自己決定」「個性化」「体験学習」の3原則が基本方針。子ども自身が決め、個性、個人差を尊重し、直接体験や実際生活が学習の中心。プロジェクトは「工務店」(木工・園芸)「劇団きのくに」(表現)「よくばり菜園」(農業)など▼世界一長いホットドッグを自分たちで育てた米粉で作ったり、校庭の山の斜面を利用して木製の滑り台を完成させたプロジェクトも。今では福井、山梨、福岡の各県にも小中学校が開設され、全国に広がりつつあるという▼いじめや自殺、学級崩壊など荒(すさ)む教育現場。今こそ「きのくに子どもの村学園」の取り組みに注目すべきだ。(純)

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