悠言録

 「人生最大の敵、それは『鈍感』である」。戦後初の三冠王を成し遂げ、4球団で監督を歴任し、現在は野球解説者として活躍する野村克也氏の名言だ▼育児休暇(育休)取得を宣言していたが、妻の妊娠中に不倫が発覚し、議員辞職した宮崎謙介元衆院議員。17日に離党届を提出した。男性の育児参加の必要性を訴える中での失態。宮崎氏は「鈍感」であったと言わざるをえない▼厚生労働省の平成26年度雇用均等調査によると、育休を取得した女性の割合は86・6%に対し、男性の割合はわずか2・3%。政府は、女性だけでなく男性が育児を担うことが少子化対策になるとして、男性の育休取得率を32年には13%にする目標を掲げているが、実現は厳しい状況だ▼都道府県労働局雇用均等室に寄せられた「婚姻・妊娠・出産などを理由とする不利益扱い」に関する労働者からの相談は、26年度で2251件。セクシャルハラスメント(セクハラ)に関する相談に続いて2番目に多い▼近年、育休に対する行政や事業主側の意識は高まりつつあるが、男性が当然のように取得できる日は遠い▼失態を除けば、宮崎氏の育休取得宣言は勇気ある行動といえる。理解を得る努力は必要だが、行政に関わる人間が背中を見せなければ、現状を打破することはできないと気付かなければならない。次の国政選挙では、国民の想いに「敏感」な人間が多く選出されればと願う。(梶)

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