悠言録

 高校球児の夢舞台である甲子園への出場を懸けた熱戦が各地で繰り広げられている。甲子園は春の選抜もあるが、やはり盛り上がるのは夏。花火や風鈴と並ぶ夏の風物詩といえる▼海・山・川遊び、花火大会、ビアガーデンと夏には胸躍るイベントが満載。しかしその一方で、熱中症や水難事故など、油断すると命を落とす危険も隣合わせで存在する▼今年、県内で熱中症により救急搬送された人は23日までで422人にも上る。昨年の同時期と比較すると約150人増。そのうち死亡者1人、重症者8人で、ほとんどが高齢者だ▼そういった状況のなか24日、小学4年の男子児童が熱中症の疑いで救急搬送され、翌日未明に死亡。母親が病院での診察から戻ると、児童は車内でぐったりしている状態だったという▼母親は児童に車の鍵を渡しており、エンジンをかけてエアコンをつけるなり、車から出るなりすれば熱中症は回避できた。しかし児童はまだ9歳。そういった判断は難しかったのかもしれない。そもそも児童に熱中症の知識があったのか、今となっては知るすべはない▼一番つらいのは母親だろう。しかし母親の責任は免れない。どんな状況であろうと児童を車内で1人にすべきではなかった。高齢者はもちろん、炎天下で戦う高校球児らすべての人が熱中症の怖さを知り、知識を身に付けなければ、また同じ悲劇が繰り返されることになる。(梶)

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