悠言録

 奈良日日新聞社は7日、創刊119周年を迎えた。明治31年のこの日、奈良日日新聞の前身である「奈良新聞」(大和タイムスを改題し、本紙の題字名を使用している現奈良新聞とは別)が誕生した▼3年前の5月2日、1人の若者がこの世を去った。享年33。本社記者として着実にキャリアを積み重ねるなか、悪性リンパ腫にたおれた。他人にやさしく、心配りのできる人間で、通夜や葬儀には、多くの旧友や取材仲間が訪れた。また取材相手から「真摯(しんし)に取材していただいて、こちらの立場に立った記事を書いてくださり、とても信用できる人でした」との弔電も届くほどだった▼ご両親は少しでも一緒にいたいと納骨を先送りにしていたが昨年11月、京都府内にお墓を用意。両親より先にお墓に入り、家族を見守っている。お墓ができて初めてのお盆ということで墓参しようと思う▼創業者の赤堀自助氏は進取の気性に富み、昭和16年の言論統制で「言論の自由が封じられるぐらいなら」と新聞界を去るといった気骨ある言論人だった▼明治から平成と、苦難の時代を生き抜いて今日を迎えた本紙は、初代の精神を忘れることなく、「県民の教科書、役に立つ新聞」を目指し、歩を進めている▼亡くなった記者は生前、「必ず病気を治し、戻ってきます」と力強く語っていた。来年は創刊120周年。あらゆる県民の期待に応える新聞でありたいと思う。(虎)

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