悠言録

 あす11月11日は「いい日、いい日」で介護の日。介護について理解と認識を深め、介護が必要な人、その家族や介護従事者らを支援し、地域社会における支え合いや交流を促進するため、厚労省が平成20年に制定した▼3日に開かれた「なら介護の日2017」では、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」でも取り上げられた介護施設経営者の加藤忠相氏が講演▼加藤氏の施設には、「何時に何をやるか」という時間割やマニュアルはない。「その人にとってのベストはなにか」をスタッフが判断する。お年寄りたちの「世話をする」のではなく、その人が「やりたいことを脇役として支える」という加藤氏の思い、そして実際の取り組みがスクリーンで紹介され、一瞬仕事を忘れて涙。周囲を見渡すと皆、目を赤くしていた▼祖母が寝たきりで、仕事を引退した父親が付きっきりで介護している。月に2、3回、祖母の顔を見に行くが父親は憔悴(しょうすい)。介護のストレスで何度か倒れ、祖母のわがままに文句を繰り返すが、その手は離さない▼自分を育ててくれた親の介護をするのは当然との声もあるが、その苦労は計り知れない。施設を嫌がる祖母の願いを、文句は言いながらもかなえる父親に頭が下がる▼長男として、いずれはその父親、母親を介護することになる。超高齢社会を迎える日本。われわれは介護に対する知識や理解を、今以上に深めなければならない。(梶)

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